辻村深月(つじむらみづき)さんの作品です。
あらすじ
長く辛い不妊治療の末、特別養子縁組という手段を選んだ栗原清和・佐都子夫婦は民間団体の仲介で男子を授かる。
朝斗と名づけた我が子はやがて幼稚園に通うまでに成長し、家族は平穏な日々を過ごしていた。
そんなある日、夫妻のもとに電話が。
それは、息子となった朝斗を「返してほしい」というものだった……。
(文庫本裏表紙より)
おすすめポイント
私たち夫婦も避妊治療を続けて、娘を授かることができました。
いまはとても幸せに、楽しい毎日を過ごしています。
だけど、治療を重ねても子どもを授からない夫婦がいます。
そして辿りつくひとつの選択として、養子縁組があります。
この「朝が来る」という作品は、過酷な青春期を過ごして、やはり我が子に会いたいという願いが切なく描かれています。
一方で、養子縁組で出会った赤ちゃん。
数年の歳月が流れれば、もう親子です。当たり前です。血の繋がりとか、そんなことは関係ないわけです。
でも、本当の親が現れたとしたら……
それでも断然と、この子は私たちの子です、と言える愛の強さと、もうひとりの親の存在を物心ついた子どもに言い聞かして育てている優しさに、胸が震えました。
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