山田宗樹(やまだむねき)さんの作品です。
あらすじ
上)
不老化処置を受けた国民は処置百年を以て死ななければならない――
国力増大を目的とした「百年法」が成立した日本に、最初の百年目が訪れようとしていた。
処置を施され、 外見は若いままの母親は「強制の死」の前夜、最愛の息子との別れを惜しみ、官僚は葛藤を胸に責務をこなし、政治家は思惑のため暗躍し、テロリストは力で理想の世界を目指す……。
来るべき時代と翻弄される人間を描く、衝撃のエンターテインメント!
下)
円滑な世代交代を目論んだ「百年法」を拒否する者が続出。
「死の強制」から逃れる者や、不老化処置をあえて受けず、人間らしく人生を全うする人々は、独自のコミュニティを形成し活路を見いだす。
しかし、それを焼き払うかのように、政府の追っ手が非情に迫る……世間が救世主を求める中、少しずつ歪み出す世界に、国民が下した日本の未来は!?
驚愕の結末!
(文庫本裏表紙より)
おすすめポイント
初めてタイトルを見た時のインパクトは忘れられません。
「百年法」です。想像を掻き立てられました。
そして物語はSF、サスペンス、ミステリー、政治、倫理など様々な要素が織り込まれた壮大なものでした。
もちろん想像をはるかに越えたスケールであったことは言うまでもなく、緻密な構成と圧倒的なボリュームで最後まで飽きはこない、という結論です。
死ぬとは? 生きるとは?
SFならではと、片付けることなどできない独特な世界観です。
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