真保祐一(しんぽゆういち)さんの作品です。
あらすじ
あの夏の夜のことは忘れられない。
挑発され、怒りに駆られてナイフを握った。そして一人の命を奪ってしまった。
少年刑務所から仮釈放され中道隆太。彼は人間味溢れる保護司に見守られ、不器用ながらも新たな道を歩みだしていた。 その矢先、殺人の罪を告発するビラが撒かれた。
誰が? 何のために?
真相を求め隆太は孤独な旅を始めたのだが――。
(文庫本裏表紙より)
おすすめポイント
ずばり、希望を捨てない、希望を捨てずに生きていく姿を描いた、物語です。
殺人という罪の意識に苦しみながらも、社会で生きていこうと必死に努力する主人公。周囲の人々との関わりを通して成長し、変わっていく姿には心を揺さぶられました。
刑務所生活や社会復帰後の生活などのリアルな描写があって、人が罪を犯してしまったとしても更生できるという希望のメッセージがあります。
また、被害者遺族の苦しみや、加害者家族への差別など、社会が抱える様々な問題についても考えさせられます。
社会の厳しさ……
人の心の弱さ……
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