石田衣良(いしだいら)さんの作品です。
あらすじ
きみは流れ星のように自分を削り輝き続けた……
平凡な大学生活を送っていた太一の前に突然現れた問題児。
大学の準ミスとつきあっていた太一は、強烈な個性と奔放な行動力をもつ美丘に急速に魅かれていく。
だが障害を乗り越え結ばれたとき、太一は衝撃の事実を告げられる。
彼女は治療法も特効薬もない病に冒されていたのだ。
魂を燃やし尽くす気高い恋人たちを描いた涙のラブストーリー。
(文庫本裏表紙より)
おすすめポイント
クロイツフェルト・ヤコブ病という難病に侵されている美丘と、美丘を支え続けた太一の物語です。
まず、このシチュエーションだけでも可哀そうで泣いてしまいそうです。
私は、妻が病気になる、もう治らないと想像しただけでも涙が出てきます。
残される娘のことを思ってさらに想像は発展していき、泣けてきます。
まあ、私のことはさておき、
とにかく、太一は美丘に惹かれていくわけですが、彼女の魅惑的な描写がよいです。
同じ男として、充分すぎるくらい理解できるほど、です。
そして、諦めきれない彼女への思い……
最後は、尊厳死というものを考えさせられます。
美丘をただ生かしている生命維持のための酸素吸入チューブと点滴。
そして太一の手が伸びて……
自分がもし求められたら、何ができるのだろう。
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