Yokaが選ぶ戦争小説! 栄光なき凱旋

戦争小説

あらすじ

【上巻】

1941年。

日系2世の3人の青年は、ロサンゼルスとハワイに暮らしていた。だが日本軍が真珠湾を攻撃したことから、彼らの生活は一変する。

ジローは語学兵にスカウトされ、ヘンリーは日系人の強制収容に抗議して法廷へ。マットは仲間と銃を手にとる決意をする。

激動の時代を生きる若者の姿を描く青春群像大作。

【中巻】

日本軍の真珠湾攻撃で苦境に立たされた日系人たち。語学兵のジローは南方戦線で成果を上げ、強制収容されていたヘンリーは志願兵としてヨーロッパ戦線へ送られる。

マットも軍に志願したが、日本語を生かして語学兵に転属となり、ジローとともに敵地に乗り込むという極秘任務を与えられる。

彼らは新たな未来を掴み取れるのか。

【下巻】

日本の敗色が濃くなる中、日系兵の苦闘はつづいていた。

ジローとマットは敵地に潜入し、入手した極秘文書を日本軍に取り戻させるという危険な任務に挑み、イタリア戦線に投入されたヘンリーは、すさまじい戦闘に地獄を見る。

終戦を迎え、凱旋した彼らを待ち受けていた未来とは。

(文庫本裏表紙より)

おすすめポイント

とにかく、壮大な物語です。

読み応えをこれほど感じた小説があったでしょうか、というくらいに。

興味深いと思ったのは、日米両国の視点から描かれている点です。

ハワイの日系アメリカ人コミュニティ、アメリカ陸軍情報部、そして日本軍の戦場と様々な舞台で、3人の主人公ジロー、ヘンリー、マットはそれぞれの立場から戦争を経験していきます。

異なる性格と価値観を持った3人、戦争という極限状況の中でやはり異なる道を歩んでいくことになります。

戦争の悲惨さを伝えるだけでなく、人種差別や国家への忠誠といった現代社会にも通じる問題を提起、戦争の教訓を改めて学び、平和がいかに大切かを再認識することができます。

栄光なき凱旋 上 (文春文庫) [ 真保 裕一 ]
栄光なき凱旋 中 (文春文庫) [ 真保 裕一 ]
栄光なき凱旋 下 (文春文庫) [ 真保 裕一 ]

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