福井晴敏(ふくいはるとし)さんの作品です。
あらすじ
沖縄から米海兵隊が撤退した。それは米国防総省が、たった一人のテロリストに屈服した瞬間だった。テロリストトウエルプの名は「12」。
最強のコンピュータウィルス「アポトーシスⅡ」と謎の兵器「ウルマ」を使い、米国防総省を脅迫しつづける「12」の正体は?
真の目的は?
圧倒的スケールの江戸川乱歩賞受賞作。
(文庫本裏表紙より)
おすすめポイント
やはりというべきか、自衛隊や軍事に関する詳細な描写が、物語にリアリティを与えてきます。とにかく自衛隊の装備や組織、命令系統などが緻密で、フィクションであるのに現実感が半端ないわけです。
国家観や国防に対する考えが強く反映されていて、この物語は日本が国家として一人前でないというテーマがあることに気づきました。
平貫太郎や東馬修一など、登場人物は個性的で魅力的です。いわゆる人間ドラマの観点も、物語のスケールの大きさやエンターテインメント性に深みを与えています。
引き込む力強いストーリーテリングに、読み応えを覚えましたね。
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