重松清(しげまつきよし)さんの作品です。
あらすじ
幼い息子を喪った「私」は旅に出た。
前妻のもとに残してきた娘とともに。
かつて「私」が愛した妻もまた、命の尽きる日を迎えようとしていたのだ。
恐山、奥尻 オホーツク、ハワイ、与那国島、島原・・・・〝この世の彼岸、の圧倒的な風景に向き合い、 包まれて、父と娘の巡礼の旅はつづく。
鎮魂と再生への祈りを込めた長編小説。
(文庫本裏表紙より)
おすすめポイント
人間の温かさを噛みしめる作品です。
1歳の息子を亡くした父親と、前妻との娘とが交差する物語。
旅を通じて、父と娘の距離感が描かれ、身近な人の死にどう向き合うのかがテーマになっています。
物語は美しい風景とともに進行。これも重松清さんの特徴であり魅力ですね。
娘と共に全国各地を訪れる中で、人々と出会い、別れます。悲しみからの立ち上がりを描いた作品であり、再生への祈りが込められていると感じました。
『わたしと出会ってくれて、ありがとう』
たとえ一人になっても、ひとりぼっちじゃないんだ……。
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