おすすめ文学小説5選! 深いテーマと普遍的なメッセージ!

小説紹介

言葉の美しさや表現の巧みさが特徴でもある文学小説!

人間の感情や社会問題、哲学的な問いなど深いテーマに自己啓発や共感を促され、自分自身の人生について考えさせられることがあります。

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

あらすじ

多崎つくるは鉄道の駅をつくっている。

名古屋での高校時代、四人の男女の親友と完璧な調和を成す関係を結んでいたが、大学時代のある日突然、四人から絶縁を申し渡された。理由も告げられずに。

死の淵を一時さ迷い、漂うように生きてきたつくるは、新しい年上の恋人・沙羅に促され、あの時何が起きたのか探り始めるのだった。

(文庫本裏表紙より)

おすすめポイント

主人公の多崎つくるは過去のトラウマと向き合います。

自己を探求すること、それは終わりない旅と思っているのですが、この作品では〝自己発見の旅〟をする過程が描かれています。

つくるの葛藤や成長が、自分の人生を投影してリアルに感じられました。

突然友人たちから絶縁され、なんとも切なく、理由を探るために巡礼の旅に出るというミステリアスな展開には引き込まれました。

友情、孤独、自己探求等々、多くのテーマが絡み合います。村上春樹さん特有の流れるように読み進めてしまう文体と、独特の世界観はやはり楽しめます。

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫) [ 村上 春樹 ]


おもかげ

浅田次郎(あさだじろう)さんの作品です。

おもかげ (講談社文庫) [ 浅田 次郎 ]

あらすじ

エリート会社員として定年まで勤め上げた竹脇は、送別会の帰りに地下鉄で倒れ意識を失う。

家族や友が次々に見舞いに訪れる中、竹脇の心は外へとさまよい出し、忘れていたさまざまな記憶が呼び起こされる。

孤独な幼少期、幼くし亡くした息子、そして……。

涙なくして読めない至高の最終章。

おすすめポイント

人生とは?

愛するとは?

定年の日に地下鉄で倒れた主人公の竹脇正一はその後、死と向き合う中で自分の出自や愛について考えることになります。

不思議な体験を通して家族との絆を再認識、親の存在や愛について考えます。

戦後の時代背景や登場人物たちの人間ドラマ、人生の奇跡、そして希望を描いた作品です。

自分の人生を振り返り、親の人生を思い、子ども将来を考えていました。

もう涙が止まらなくなりましたね。

おもかげ (講談社文庫) [ 浅田 次郎 ]


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十字架

重松清(しげまつきよし)さんの作品です。

十字架 (講談社文庫) [ 重松 清 ]

あらすじ

いじめを苦に自殺したあいつの遺書には、僕の名前が書かれていた。

あいつは僕のことを「親友」と呼んでくれた。でも僕は、クラスのいじめをただ黙って見ていただけだったのだ。

あいつはどんな思いで命を絶ったのだろう。

そして、のこされた家族は、僕のことをゆるしてくれるだろうか。

吉川英治文学賞受賞作。

(文庫本裏表紙より)

おすすめポイント

〝いじめ〟をテーマにした物語です。

中学生のいじめ自殺を中心に展開されるのですが、現実とその影響、心の葛藤や成長がリアルに描かれていて、これから思春期を向かえる娘をもつ親としては深く考えさせられました。

いじめを傍観していた罪悪感、残された者たちの苦悩と贖罪。

もちろん、自分の過去にも重ねて強い共感を覚える場面もありましたね。

時間とともにどのように成長し、過去の出来事とも向き合っていくのか……。

十字架 (講談社文庫) [ 重松 清 ]


かりそめ

渡辺淳一(わたなべじゅんいち)さんの作品です。

かりそめ (新潮文庫) [ 渡辺淳一 ]

あらすじ

背徳の世界に身をゆだねる52歳の作家・久我と45歳の主婦・梓。

十数年ぶりに再会し、狂おしいまでに互いを求めるふたりだったが、ある日、変調は訪れた。

眼の異常を訴える梓。どうなろうとも愛を貫くと宣言する久我。

しかし、その顔にメスを入れることになった梓が選んだ行動は……。

死の気配におののきつつも、宿命に殉じようとする男と女。

著者が30年間、心に秘めた「哀切の物語」。

(文庫本裏表紙より)

おすすめポイント

男と女の複雑に絡み合った感情、そして一途な想いがとても綺麗に描かれています。

一方で、深く激しい愛のなかにいても凪を感じられ、読み進めている時間は淡々と時を刻んでいるようでした。これも文体の力でしょうか、魅力的な文章の流れです。

人間の強さと脆さというのが表裏一体となってクライマックスに向かいます。

梓のとった行動、その判断に感嘆を漏らさずにはいられませんでしたね。

美しく悲しい結末、そして切なさの残る物語です。

かりそめ (新潮文庫) [ 渡辺淳一 ]


騎士団長殺し

あらすじ

1
私は時間を味方につけなくてはならない――妻と別離して彷徨い、海をのぞむ小田原の小暗い森の山荘で、 深い孤独の中に暮らす三十六歳の肖像画家。

やがて屋根裏のみみずくと夜中に鳴る鈴に導かれ、謎めいた出来事が次々と起こり始める。

緑濃い谷の向こう側からあらわれる不思議な白髪の隣人、雑木林の祠と石室、古いレコード、そして「騎士団長」 ……。

物語が豊かに連環する村上文学の結晶!

2
「わかりきったことじゃないかね」と誰かが言った。ある夜、 主人公の前に顕れたのは「イデア」だっ

た。イデア!?山荘のスタジオで一度は捨てたはずの肖像画制作に没頭する「私」の時間はねじれ、旋回し、反転する。

不思議の国のアリス、上田秋成「春雨物語」、闇の奥でうごめく歴史の記憶、キャンバスの前に佇む美しい少女多彩な人物と暗喩が織りなす物語は、さらに深く、 魂の森の奥へ。

3
雑木林の小径を抜けて、 肖像画のモデルとなった少女が山荘を訪れる。屋根裏に隠された絵と「私」の描いた絵······パズルのピースのように、四枚の絵が一つの物語を浮かび上がらせる。

谷の向かい側から銀色のジャガーで現れる白髪の紳士、奇妙な喋り方で主人公に謎をかける「騎士団長」。

やがて、山荘の持ち主の老画家をめぐる歴史の闇も明らかになるが、真夜中の鈴は、まだ鳴り止まない。

4
「簡単なことだ。あたしを殺せばよろしい」と騎士団長は言った。

「彼」が犠牲を払い、「私」が試練を受けるのだ。だが姿を消した少女の行方は······。

「私」と少女は、ふたたび出会えるのか。暗い地下迷路を進み、「顔のない男」に肖像画を描くよう迫られる画家。

はたして古い祠から開いた世界の輪を閉じることはできるのか。「君はそれを信じたほうがいい」物語は希望と恩寵の扉へ向かう。

(文庫本裏表紙より)

おすすめポイント

4巻に渡る圧倒的なボリュームと、やっぱり村上春樹さんの独特な世界観に引き込まれっぱなしの作品です。

絵画、音楽などの要素が織り込まれていて奥深く、時間や存在、人間の心の葛藤など、哲学的なテーマが散りばめられています。そこに村上文学が相まってくるものだから、物語の先が気になって止まりませんでした。

シンプルでありながら繊細な文体、言葉の選び方や描写が物語の装いを一層深めます。

騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編(上) (新潮文庫) [ 村上 春樹 ]
騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編(下) (新潮文庫) [ 村上 春樹 ]
騎士団長殺し 第2部 遷ろうメタファー編(上) (新潮文庫) [ 村上 春樹 ]
騎士団長殺し 第2部 遷ろうメタファー編(下) (新潮文庫) [ 村上 春樹 ]


まとめ

以上がYokaおすすめの文学5つの物語でした。

タイトルにもあるように、「深いテーマと普遍的なメッセージ」に心揺さぶられる文学小説。

作品の魅力や背景、登場人物の思考にどっぷりと入り込んだとき、新たな視点、世界観を得ることができるのではないでしょうか。

ぜひ、あなたのお気に入りの一冊を見つけてください。


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