日常生活に潜む恐怖、現実に起こりうるかもしれない出来事。
リアルな恐怖は緊張感と絶妙に相まって、ハララハラドキドキのスリルを楽しむことができます。
人間の心理や内面の闇、何が起こるかわからない不安感が持続すれば……
黒い羽
あらすじ
右肩にある瑕に、君島典子は幼い頃から苦しんできた。
激しい痒みと痛み。
どんな治療もほとんど効果がなかった。
病院を転々とした末に辿り着いた遺伝子治療という選択。
典子は主治医らとともに、人里離れた山奥にある研究施設へと向かう。ところが、そこには何体もの惨殺死体が転がっていた!
ここには凄まじく危険なナニかがいる……。
(文庫本裏表紙より)
おすすめポイント
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背筋が凍ります。
遺伝子治療と密室殺人を融合させたホラーミステリーです。
様々な謎を解き明かしていく過程で手に汗握る緊張感を味わうことができて、遺伝子治療という現代的な題材を扱い、人間の倫理や科学の暴走についても深く考えさせられます。
ただ、グロテスクな描写が苦手な方は注意が必要かも、です。
エッジ
あらすじ
上)
人が消えてゆく――
長野、新潟、カリフォルニアで、人々が突如〝消失〟する怪現象が起こった。
そんな中、フリーライターの栗山冴子は、ある一家が忽然と姿を消した〝一家失踪事件〟の謎を追い始める。
8年前に父が、やはり消失ともいえる突然の失踪で行方不明となっている冴子は、一連の事件の中に、人類が経験したことのない未曾有の世界的異変を嗅ぎとるが・・・・・・!?
世界の基盤を揺るがす恐怖を描く、サスペンスホラーの傑作!
下)
続発する失踪事件は、その規模を急激に拡大しつつあった。
その謎を追う冴子は、ついに失踪前の父が南米ボリビアで書き残した手記にたどり着く。その中に、 冴子は世界の仕組みを解き明かす鍵を見つけるのだった。
恋人、霊能者、 物理学者の力を借りすべての答えに迫る冴子だったが……!?
父はなぜ、 どうやって姿を消したのか!?
そして人々の消失の真の意味とは!?
壮大なスケールで描く傑作サスペンスホラー、完結巻!
(文庫本裏表紙より)
おすすめポイント
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この作品はいわゆるホラー小説というものですが、心霊的な現象云々ではなく、ミステリー、サスペンス、そしてSFの要素がふんだんに盛り込まれています。
鈴木光司さんの独特の世界観に、早々に引き込まれている自分がいました。
世界中で人が突然消失するという現象を追うストーリーで、物理学や科学的な話題が多く取り入れられているところはリアリティがあって、この作品の魅力のひとつです。
上下巻にわたる長編で読み応えが十分にあって、最後まで中だるみなどまったくさせられずに読めました。
エッジ 上 (角川ホラー文庫) [ 鈴木 光司 ]
エッジ 下 (角川ホラー文庫) [ 鈴木 光司 ]
妖の華
あらすじ
ヒモのヨシキは、ヤクザの恋人に手を出して半殺しにあうところを、妖艶な女性に助けられる。
同じころ、池袋では獣牙の跡が残る、完全に失血した惨殺体が発見された。
その手口は、3年前の暴力団組長連続殺人と酷似していた。事件に関わったとされる女の正体とは?
「姫川」シリーズの原点ともなる伝奇小説が復刊。
(文庫本裏表紙より)
おすすめポイント
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紅鈴という不老不死の吸血鬼と、彼女に助けられた人間のヨシキが織りなす物語。
異形の種族「闇神(やがみ)」と人間の関係を描いた伝奇ホラー……。
と、これだけで魅力が伝わってこないでしょうか。
ヤクザの抗争や猟奇的な殺人事件が絡み合う緊張感に、警察小説としての要素も十分にあって、捜査の描写が現実に引き戻してくれます。
内面には深い悲しみや葛藤を抱える主人公の紅鈴……とてもよいです。
「妖の華」には続編「妖の掟」があります。3年前を舞台にした物語です。
妖の掟
あらすじ
時代を越えて生きる一族、闇神(やがみ)の紅鈴と欣治。
ある夜、暴行されていた情報屋の圭一を助けたことから親しくなる。
圭一の仕事を手伝ううち、大和会系組長三人殺しに関わることに。
一方、 紅鈴たちに忍び寄る影もあり……。闇夜にヤクザと警察とこの世ならぬものが入り乱れる。
誉田ワールド全開、傑作ノワール!
(文庫本裏表紙より)
おすすめポイント
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バイオレンス、アクション、任侠、ノワール、そして妖怪伝奇と多様なジャンルが巧みに組み合わさった〝妖〟シリーズの第二弾。
疾走感のあるストーリー展開、物語は非常にテンポよく進むこともあって、どんどん感情移入していきました。暴力的なシーンやシリアスに流れるストーリーに、三人のコミカルなやり取りがほどよく盛り込まれていて、なんというのかほっとさせてもらえる緩急のバランスが絶妙ですね。
不老不死の存在、ヤクザの抗争、そんなテーマを通じて人間の本質、生きる意味について考えさせられます。
冷たい校舎の時は止まる
あらすじ
上)
雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の
高校生。
開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。凍りつく校舎の中、2ヵ月前の学園祭の最中に死んだ同級生のことを思い出す。
でもその顔と名前がわからない。
どうして忘れてしまったんだろう――。
第31回メフィスト賞受賞作。
下)
学園祭のあの日、死んでしまった同級生の名前を教えてください――。
「俺たちはそんなに薄情だっただろうか?」
なぜ「ホスト」は私たちを閉じ込めたのか。
担任教師・榊はどこへ行ったのか。
白い雪が降り積もる校舎にチャイムが鳴ったその時、止まったはずの時計が動き出した。
薄れていった記憶、その理由は。
(文庫本裏表紙より)
おすすめポイント
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物語が進むにつれて明らかになる真実、予想の遥か頭上を超えていかれたという思いでした。それくらい巧妙な伏線と衝撃の展開に、飽きるはずもありません。
そしてやはりというのか、登場人物たちの繊細な心理描写では、辻村深月さんの魅力をあらためて思い知らされました。
何年の月日が流れようと青春時代の甘酸っぱい思い出は郷愁を誘います。そこにホラーとミステリーの要素が絶妙に混ざり合ってくるものだから……。
冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫) [ 辻村 深月 ]
冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫) [ 辻村 深月 ]
まとめ
以上がYokaおすすめのホラー・オカルト5つの物語でした。
ホラー・オカルト小説は恐怖と緊張感で包み込み、最後まで目が離せない魅力があります。
だから、恐くてもどうしても読んでしまう。
参考にしてもらえれば幸いです。
ぜひ、手に取ってみてください。
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