おすすめ歴史・時代小説5選! 理解を深め、歴史を体験!

小説紹介

歴史・時代小説をおすすめする理由はいくつかあります。

単なる歴史の教科書とは異なり物語として楽しむことができますし、過去の出来事や登場人物が生き生きと描かれ、主人公の生涯を通して日本を知ることができます。

そして、歴史的な知識だけでなく、当時の文化や社会背景についても学ぶことができますね。

天を衝く

あらすじ

1
織田信長が天下布武を掲げた頃、陸奥の南部家では内紛が続いていた。新たな時代を予見する九戸党の棟梁・政実は、ついに宗家を見切った。戦の天才「北の鬼」九戸政実が、武者揃いの一族郎党を束ねて東北の地を駆け巡る。

2
南部家棟梁が二代続けて怪死する激乱の事態。「北の鬼」九戸政実は、南に目を向けながらも、南部一族内の権謀術数が蠢く陸奥に縛られていた。織田信長が殺され、伊達政宗が台頭する。天下人となった豊臣秀吉は、二十万の兵を率いて東へ進軍をはじめた。戦国時代の知られざる豪傑の波瀾の人生はいかに―。

3
目前に迫る十万の豊臣秀吉軍。日本中がひれ伏した敵に、わずか五千の兵で九戸政実は喧嘩を売った。策を尽くし、鍛えた武力で敵を翻弄する九戸党。誇りをかけた最期の戦いを待ち受けていたのは―。

(文庫本裏表紙より)

おすすめポイント

とにかく、九戸政実という武将がかっこいい!

戦国時代の奥州を舞台にしたこの作品は、九戸政実の活躍と謀略を描いていて、その戦略的な駆け引きや、主人公のダークな印象、そして内輪もめの郎党たちとの喧嘩描写が印象的です。

もちろん、歴史小説としての読み応えや、登場人物たちの思惑、物語の展開が続巻への期待感を増していき、もう止められないです。

高橋克彦先生の時間経過の表現は抜群だと思っています。見方によれば話が進まないことに焦れったく感じるかもしれませんが、携帯電話や新幹線が走っている時代ではないのですから……。

その詳細な歴史背景と登場人物の心理描写が魅惑的で、とにかく引き込まれます。

天を衝く(1) (講談社文庫) [ 高橋 克彦 ]
天を衝く(2) (講談社文庫) [ 高橋 克彦 ]
天を衝く(3) (講談社文庫) [ 高橋 克彦 ]


のぼうの城

和田竜(わだりょう)さんの作品です。

のぼうの城(上) [ 和田 竜 ]
のぼうの城(下) [ 和田 竜 ]

あらすじ

上巻)
戦国期、天下統一を目前に控えた豊臣秀吉は関東の雄・北条家に大軍を投じた。

そのなかに支城、武州・忍城があった。周囲を湖で取り囲まれた「浮城」の異名を持つ難攻不落の城である。秀吉方約二万の大軍を指揮した石田三成の軍勢に対して、その数、僅か五百。城代・成田長親は、領民たちに木偶の坊から取った「のぼう様」などと呼ばれても泰然としている御仁。武・智・仁で統率する、従来の武将とはおよそ異なるが、なぜか領民の人心を掌握していた。

従来の武将とは異なる新しい英傑象を提示した四十万部突破、本屋大賞二位の戦国エンターテインメント小説!

下巻)
「戦いまする」三成軍使者・長束正家の度重なる愚弄に対し、予定していた和睦の姿勢を翻した「のぼう様」こと成田長親は、正木丹波、柴崎和泉、酒巻靭負ら癖のある家臣らの強い支持を得て、忍城軍総大将としてついに立ちあがる。

「これよ、これ。儂が求めていたものは」

一方、秀吉に全権を託され忍城攻城軍総大将・石田三成の表情は明るかった。我が意を得たり、とばかりに忍城各門に向け、数の上で圧倒的に有利な兵を配備した。

後に「三成の忍城水攻め」として戦国史に記される壮絶な戦いが、ついに幕を開ける。

(文庫本裏表紙より)

おすすめポイント

物語の背景のひとつ、豊臣秀吉が天下統一を目前に控えた時代であることを知り、すぐにも引き込まれました(戦国時代が好きなもので)。引き込まれていく理由としては、有名武将の魅力的なキャラクターとテンポがよく読みやすい文章にもあります。

読み進めていくにつれて、合戦という臨場感が増していきます。この危機をどう乗り切るのか、次のページ捲る手は止まりません。

のぼうの城(上) [ 和田 竜 ]
のぼうの城(下) [ 和田 竜 ]


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大地の子

山崎豊子(やまさきとよこ)さんの作品です。

大地の子 全4巻セット (文春文庫) [ 山崎豊子 ]

あらすじ

日本人残留孤児で、中国人の教師に養われて成長した青年のたどる苦難の旅路を文化大革命下の中国を舞台に描く大河小説。

陸一心は敗戦直後に祖父と母を喪い、娘とは生き別れになった日本人戦争孤児である。日本人であるがゆえに、彼は文化大革命のリンチを受け、内蒙古の労働改造所に送られて、スパイの罪状で十五年の刑を宣告された。使役の日々の中で一心が思い起こすのは、養父・陸徳志の温情と、重病の自分を助けた看護婦・江月梅のことだった。

(紀伊國屋書店Webページより)

おすすめポイント

日本人の中国残留孤児が主人公、陸一心の苦闘を描いた物語です。

辛うじて生き残った子供たち。

戦争孤児として、日本政府から放置されたままになっていたわけです。

戦争と文化大革命の二重の犠牲になった一心は、中国の歴史の流れに翻弄されます。もはや一口に苦闘と片付けるには壮大過ぎる大河小説。

養父陸徳志(ルートウチ)と実父松本耕次の親子愛、一心と妹との兄妹愛に、打ち震えるほどの強い感動を覚えました。

妹との再会、仕事で日本を訪れた時に実父の家で母親の写真を見て号泣する場面は、涙が止まりませんでしたね。

大地の子 全4巻セット (文春文庫) [ 山崎豊子 ]


八朔の雪 みをつくし料理帖

高田郁(たかだかおる)さんの作品です。

八朔の雪 みをつくし料理帖 (ハルキ文庫) [ 高田郁 ]

あらすじ

神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。

店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。

大坂江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。

しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが……。

料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奪闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!

(文庫本裏表紙より)

おすすめポイント

ひとことで言うなら、「江戸時代の食文化を鮮やかに描いた時代小説」ということになるのでしょうが、高田郁さんの文章表現により料理の描写はもちろん、風景や心情まで繊細に描かれていて、物語の世界にいとも簡単に引き込まれていきます。

舞台は江戸時代後期。

活き活きとした描写は、江戸の時代を観ているような感覚にまでさせてくれますし、旬の食材を使った料理の数々は、まるで目の前にその料理があるかのように想像させてくれます。

とにかく、江戸時代の食文化や人情に触れることができる、優しく心温まる物語です。

八朔の雪 みをつくし料理帖 (ハルキ文庫) [ 高田郁 ]


影法師

百田尚樹(ひゃくたなおき)さんの作品です。

影法師 (講談社文庫) [ 百田 尚樹 ]

あらすじ

頭脳明晰で剣の達人。将来を嘱望された男がなぜ不遇の死を遂げたのか。

下級武士から筆頭家老にまで上り詰めた勘一は竹馬の友、彦四郎の行方を追っていた。

二人の運命を変えた二十年前の事件。

確かな腕を持つ彼が「卑怯傷」を負った理由とは。その真相が男の生き様を映し出す。

(文庫本裏表紙より)

おすすめポイント

江戸時代を舞台に繰り広げられる友情劇です。

主人公勘一と彦四郎の物語が軸となって展開されるのですが、武士としての誇りや生き様に惹かれ、彦四郎の生き方には心を打たれないわけにはいかなかった、です。

江戸時代の武士の生活や身分制度がリアルに知ることもできて、歴史好きの私には楽しめた作品でした。

最後には衝撃的な真相が明らかになり、涙が止まらなかったです。

影法師 (講談社文庫) [ 百田 尚樹 ]

まとめ

以上がYokaおすすめの歴史・時代小説5つの物語でした。

歴史・時代小説は、読者に歴史の理解を深める機会を提供してくれます。

教養が深まり、物語として楽しむことができるため、エンターテインメント性も高いわけです。

主人公たちの視点を通じて歴史を体験することで、感情移入しやすく、物語に没入することができのも魅力の一つですね。


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