忘れられない物語。
ときには体験したことのないドラマチックな展開、疑似恋愛を楽しむことができます。
ときにはハッピーエンドに心を癒され、
共感して涙がとめどなく流れてくることもあって……
ラヴレター
岩井俊二(いわいしゅんじ)さんの作品です。
あらすじ
雪山で死んだフィアンセ・樹の三回忌に博子は、彼が中学時代に住んでいた小樽に手紙を出す。
天国の彼から?
今は国道になっているはずのその住所から返事がきたことから、奇妙な文通がはじまった。
(KADOKAWA ウェブサイトより)
おすすめポイント
亡くなった恋人への手紙を通じて展開する物語。
この手紙がきっかけで始まる文通。
切なくて、そして不思議なラブストーリーです。
映像的な表現、描写が特徴的で、文字を追いながらも映画を観ている気になりました。
まさに、情景が目に浮かぶ、です。
心理描写が細かく、偶然や縁を感じさせる瞬間の描写の巧みです。
岩井俊二さんの独特な透明感や美学に、若かりしころ、青春の記憶を呼び起こされました。
ラヴレター (角川文庫) [ 岩井 俊二 ]
Love Letter [ 中山美穂 ]
キャロリング
有川浩(ありかわひろ)さんの作品です。
あらすじ
していた。そんな二人を頼ってきたのは、会社に併設された学童に通う小学生の航平。
両親の離婚を止めたいという航平の願いを叶えるため、彼らは別居中の航平の父親を訪ねることに――。
逆境でもたらされる、ささやかな奇跡の連鎖を描く感動の物語。
(文庫本裏表紙より)
おすすめポイント
登場人物の人間関係、そして心情がリアルに伝わってきます。丁寧に描かれていて、喜怒哀楽に共感をもってしまいます。
特に、主人公の大和と小学生の航平の友情(?)、は心温まるものがあります。
物語は倒産が決まった子供服メーカーの社員や、離婚の危機に瀕した両親、そして託児所を利用する航平など、さまざまな人々の物語が絡み合っています。言わば不幸な出来事、が多いのですが読み進めていると希望と前向きな気持ちに胸が沸きました。
自分自身を比較せず、大切な人々を守り、そして幸せになる方法を見つけていく姿勢がやはり胸を打つ作品です。
娼年
石田衣良(いしだいら)さんの作品です。
あらすじ
恋愛にも大学生活にも退屈し、うつろな毎日を過ごしていたリョウ、二十歳。
だが、バイト先のバーにあらわれた、会員制ボーイズクラブのオーナー・御堂静香から誘われ、とまどいながらも「娼夫」の仕事をはじめる。
やがてリョウは、さまざまな女性のなかにひそむ、欲望の不思議に魅せられていく…..。
いくつものベッドで過ごしたひと夏の光と影を鮮烈に描きだす、長編恋愛小説。
(文庫本裏表紙より)
おすすめポイント
官能的なのだと思いつつ、繊細な性の描写がそれを否定している自分もいて、純粋なひとの心を扱ったラブストーリーである、と着地しました。
主人公のリョウが足を踏み入れた世界への憧れが、気持ちのどこかに隠れていたことに気づかされ、深いため息が落ちましたね。
優しい物語です。そして、読みごたえのある作品です。
盲目的な恋と友情
辻村深月(つじむらみづき)さんの作品です。
あらすじ
タカラジェンヌの母をもつ一瀬蘭花は自身の美貌に無自覚で、恋もまだ知らなかった。だが、大学のオーケストラに指揮者として迎えられた茂実星近が、彼女の人生を一変させる。
茂実との恋愛に溺れる蘭花だったが、やがて彼の裏切りを知る。五年間の激しい恋の衝撃的な終焉。 蘭花の友人・留利絵の目からその歳月を見つめたとき、また別の真実がー。男女の、そして女友達の妄執を描き切る長編。
(文庫本裏表紙より)
おすすめポイント
タイトルにもあるように、恋愛と友情の複雑な感情を描いた作品で、物語は二部構成で進行していきます。登場人物たちの内面が深く掘り下げられていて、異なる視点から同じ出来事が描かれているからでしょうか、感情や行動がとてもリアルに感じました。
それこそ盲目的な執着が人間関係を複雑にし、破壊的な結果をもたらすことに……。
引き込まれるストーリー展開です。
生きてさえいれば
百田尚樹(ひゃくたなおき)さんの作品です。
あらすじ
生きていれば。
恋だって始められる。
生きてさえいれば…。
大好きな叔母・春桜(はるか)が宛名も書かず大切に手元に置いている手紙を見つけた甥の千景
(ちかげ)。病室を出られない春桜に代わり、千景がひとり届けることで春桜の青春の日々を知る。
学内のアイドル的存在だった読者モデルの春桜。
父の形見を持ち続ける秋葉。
ふたりを襲う過酷な運命とは?
魅力的なキャラクター、息もつかせぬ展開。純粋な思いを貫こうとするふたりを描いた奇跡のラブストーリー。
(文庫本裏表紙より)
おすすめポイント
生きることの価値、そしてその意味。
愛することの喜びや苦しみ……。
深いテーマです。
「生きてさえいれば」という〝希望〟のメッセージが伝わったとき、心に響き、やっぱり泣いていました。
過去と現在が交錯して物語は終焉に向かっていきます。
生きることの大切さをあらためて理解できる一冊ではないでしょうか。
まとめ
以上がYokaおすすめのラブストーリー5つの物語でした。
喜びや切なさを感じられる作品を通じて、素敵な読書体験をしてもらえたら幸いです。
コメント