あらすじ
きみは言った。
「私、まってる。ヨシフミさんの血を受け継いだ人がこの時代まで生き残って、私と巡り逢うことを」
僕は答えた。
「約束するよ。必ず会いにくる。僕の血のひいた……多分、曾孫になるのかな」
西暦2092年。少年がひょんなきっかけで見付けることになった、2019年に出版されている古い時代の書物。
一晩で読み切ってしまうほどそれは壮大で、冒険心をくすぐられる物語だった。しかし、驚異的な事実をも隠されていることが後に判明する。
本を読み終えた時、少年はこう分析した。この物語は作者の実体験ではないのか、本当に未来に連れてこられたのでは、と。
内容も終止そう表現していている。
であれば、彼女はこの時代に存在していることになる……。
おすすめポイント

18年前と現在が交錯しながら展開していくこの物語は、主人公誠一の心の葛藤を描いています。
外科医となって東京で働いていた誠一は奈良県吉野に移動を命じられます。
高校生のときに大好きだった彩香が末期がんに侵されていたことを知り、主治医となって命を救うことに心血を注ぎます。
18年前に裏切られた親友との対峙、忘れようとしていた過去が並行して展開されていきます。
限られた時間の中で過ごす母子。
主治医として寄り添う誠一。
人生の儚さと友情の力を感じることができる物語だと思っています。
ぜひ読んでみてください。
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