スリルとサスペンスに満ちた展開!
物語の最後に何がまっているのか。
謎解きに挑み、知的を楽しみながら、真相が明かされる瞬間の感嘆を提供してもらいましょう。
トゥエルブ Y.O.
福井晴敏(ふくいはるとし)さんの作品です。
あらすじ
沖縄から米海兵隊が撤退した。それは米国防総省が、たった一人のテロリストに屈服した瞬間だった。テロリストトウエルプの名は「12」。
最強のコンピュータウィルス「アポトーシスⅡ」と謎の兵器「ウルマ」を使い、米国防総省を脅迫しつづける「12」の正体は?
真の目的は?
圧倒的スケールの江戸川乱歩賞受賞作。
(文庫本裏表紙より)
おすすめポイント
やはりというべきか、自衛隊や軍事に関する詳細な描写が、物語にリアリティを与えてきます。とにかく自衛隊の装備や組織、命令系統などが緻密で、フィクションであるのに現実感が半端ないわけです。
国家観や国防に対する考えが強く反映されていて、この物語は日本が国家として一人前でないというテーマがあることに気づきました。
平貫太郎や東馬修一など、登場人物は個性的で魅力的です。いわゆる人間ドラマの観点も、物語のスケールの大きさやエンターテインメント性に深みを与えています。
引き込む力強いストーリーテリングに、読み応えを覚えましたね。
検事の本懐
柚月裕子(ゆずきゆうこ)さんの作品です。
あらすじ
ガレージや車が燃やされるなど17件続いた放火事件。
険悪ムードが漂う捜査本部は、16件目の現場から走り去った人物に似た男を強引に別件逮捕する。取調を担当することになった新人検事の佐方貞人は「まだ事件は解決していない」と唯一被害者が出た13件目の放火の手口に不審を抱く (「樹を見る」)。
権力と策略が交錯する司法を舞台に、追い込まれた人間たちの本性を描いた慟哭のミステリー、全5話。 第15回大藪春彦賞受賞作。
(文庫本裏表紙より)
おすすめポイント
検察官の本来あるべき姿(?)を垣間見ることができたと思っています。
正義を追求し、貫く姿勢が全面に出ている作品で、爽快な気分にもなりました。
主人公の佐方貞人が証拠や自白に疑問を持ち、再捜査に乗り出すところはゾクッと鳥肌が立ちました。先の展開が気になって留まることなく読み進めてしまいましたね。
佐方以外の人物の視点でも多くが語られていて、登場人物たちの本性や葛藤が物語に厚みを与えているのは言うまでもありません。 法廷ミステリーでありながら濃厚な人間ドラマです。
催眠 ―hypnosis
松岡圭祐(まつおかけいすけ)さんの作品です。
あらすじ
ある嵐の晩、ニセ催眠術師実相寺則之の前に突然現れた色白の女。
稲光が走り雷鳴がとどろく中、突如女は異様にかん高い声で笑い出し、自分は宇宙人だと叫び始めた――。
肝を潰す実相寺の前で、その女が見せた異常な能力とは?
そして女の前に現れた東京カウンセリング心理センターの催眠療法科長・嵯峨敏也が見抜いた女の能力の秘密とは?
複雑な精神病理と医療カウンセリングの世界を一級の娯楽作品に仕立て、ミステリー界の賞賛を集めながら一気に映画化まで登りつめた奇跡のデビュー作!
(文庫本裏表紙より)
おすすめポイント
とにかく、催眠術の実際の技法や心理学的な側面が詳細に描写されています。だからこそでしょう、物語が一層に、現実的に感じられました。科学理論もふんだんに取り入れられているので、フィクションでありながらも信憑性があります。
ミステリーはもちろん心理学が好きな方におすすめですね。
やはり主人公の臨床心理士・嵯峨敏也の魅力に引き込まれ、そして最後には驚きの真実が待っている……。
ぼくのメジャースプーン
辻村深月(つじむらみづき)さんの作品です。
あらすじ
ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった――。ある日、学校で起きた陰惨な事件。
ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。
チャンスは本当に一度だけ。これはぼくの闘いだ。
(文庫本裏表紙より)
おすすめポイント
復讐と許すこと、愛、罪悪感。
テーマは重いです。
そして、主人公の〝ぼく〟が友人のふみちゃんを救う過程において善悪、正義について、を考えさせられます。
強い心を持つ〝ぼく〟と登場人物との対話が重要な役割を果たしていて、単なるファンタジーではないこの物語に深みを与えていることに気づきます。
哲学的な問いかけが随所に散りばめられているからでしょうか……
言葉の力を使って相手を縛る「条件ゲーム提示能力」という設定に引き込まれて、物語の結末には〝希望〟を感じましたね。
ぼくのメジャースプーン (講談社文庫) [ 辻村 深月 ]
限定愛蔵版 ぼくのメジャースプーン [ 辻村 深月 ]
あの日、君は何をした
まさきとしかさんの作品です。
あらすじ
北関東の前林市で暮らす主婦の水野いづみ。
平凡ながら幸せな彼女の生活は、息子の大樹が連続殺人事件の容疑者に間違われて事故死したことによって、一変する。
大樹が深夜に家を抜け出し、自転車に乗っていたのはなぜなのか。
十五年後、新宿区で若い女性が殺害され、重要参考人である不倫相手の百井辰彦が行方不明に。無関心な妻の野々子に苛立ちながら、母親の智恵は必死で辰彦を捜し出そうとする。
捜査に当たる刑事の三ツ矢は、無関係に見える二つの事件をつなぐ鍵を掴み、衝撃の真実が明らかになる。
家族が抱える闇と愛の極致を描く傑作長編ミステリー。
(文庫本裏表紙より)
おすすめポイント
ストーリー構成の緻密さが際立っている作品です。
2004年に起きた事故と2019年の殺人事件。
一見無関係な二つの事件が絡み合って真実に繋がっていく展開に、引き込まれます。
そして、ミステリーとしての緊張感だけではなく、母親の狂気、家族の悲しみ、複雑な人間関係への葛藤に共感ができて、心が揺さぶられる物語です。
まとめ
以上がYokaおすすめのミステリー5つの物語でした。
そのスリルとサスペンスに満ちた展開に、やはりミステリー小説には魅了する力があるのです。
緻密に構築されたプロットに最後のページまで引き込まれ、真相が明かされる瞬間の驚きを提供してくれますね。
また、登場人物とともに謎解きに挑むことで、知的な楽しみを得られるのも魅力の一つですかね。
ぜひ、この世界に足を踏み入れてみてください。
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