子どもの語彙力と読解力を伸ばしたい、小学生の子どもをもつ親ならば考えることがあるのではないしょうか。
語彙力と読解力は文章を書く、人に物事を伝える、の向上に留まるものではありません。当然、他の教科の学習にも大きく影響します。
今回は子どもの成長をサポートができるよう、具体的な方法をいくつかご紹介します。
読書の習慣を定着させる
「読書の習慣を定着させる」ことは、子供の語彙力や読解力を育むうえで非常に大切です。
小学生の子どもをもつ親として、その経験から、読書の習慣を定着させるためのポイントを3つ挙げたいと思います。
1.楽しい読書の時間を作る
2.身近な場所に本を置く
3.親が率先して読書をする
1. 楽しい読書の時間を作る
大切なのは、読書を楽しい時間にすることです。
子どもが幼稚園や低学年だったころには、クイズ形式や人気キャラクターの絵本を選び、一緒に声を出して読んでいました。
読み終わった後には、本の内容について話してもらったり、絵を見て想像力を膨らませたりする時間を作るのもおすすめです。
2.身近な場所に本を置く
前回の記事でもお話したのですが、木材を使って壁一面に大きな本棚を作りました。
やはり子どもが自然と手に取れる場所に、様々な種類の本を置いておくことも効果的です。もちろん子ども部屋に小さな本棚を置いていますし、寝室には数冊の本を持ち込んでおく、ということもしています。
3. 親が率先して読書をする
子どもは、大人の行動を真似するものです。普段から読書をしている姿を見せていたことで、子どもも自然と読書に興味を持つようになりました。一緒に同じ本を読んだり、それぞれ違う本を読んで、感想を交換し合ったりするのも楽しいですね。
以上が読書の習慣を定着させる3つのポイントです。
ごく自然な感情の動きに沿うように、とくに難しいことをするわけではありません。
小さいころは図書館に行っていました。本を選んでみる、という行動も子どもの読書習慣を身に付けることへのスタートとなったように思います。
語彙力を増やすための工夫
「語彙力を増やす」ことは、子どもたちの読解力向上に直結し、学習の幅を広げるうえでとても大切なことです。
効果的だと感じた語彙力アップのための工夫をいくつかご紹介します。
1.日常生活の中で言葉に触れる機会を増やす
2.絵本や図鑑を活用する
3.語源を一緒に調べる
4.ことわざや四字熟語に触れる
5.言葉遊びを楽しむ
1.日常生活の中で言葉に触れる機会を増やす
まず大切なのは、日常の会話の中で、新しい言葉に触れる機会を積極的に作ることです。
例えば、スーパーで買い物をする際に、見たことのない野菜の名前を一緒に調べたり、テレビを見て気になった言葉を一緒に辞書で調べたりしています。
そう言えば、と思い出します。
子どもが言葉を覚えてきているころ、マンションの通路に置いている室外機に貼ってあるシールを見ては立ち止まって、「〇〇〇〇~」とメーカー名を言っていました……
2.絵本や図鑑を活用する
年齢に合わせた絵本や図鑑を選べば、言葉の意味を理解することも難しくないでの、子どもは楽しみながら語彙力を増やすことができます。特に図鑑は、様々な分野に関する専門用語を自然に覚えられる良い教材です。私の子どもは小さいころ、恐竜図鑑にはまっていました。
3.語源を一緒に調べる
言葉の語源を調べることは、言葉の意味をより深く理解するのに役立ちます。
例えば、「動物園」という言葉の語源が「動物を園で飼うところ」であることを知ると、言葉に対する興味が深まります。
4.ことわざや四字熟語に触れる
ことわざや四字熟語は、短い言葉の中に深い意味が込められています。これらの言葉を日常の会話に取り入れたり、クイズ形式で出題したりすることで、語彙力の幅を広げることができます。
クイズ形式でことわざや四字熟語に触れられる本は、よく図書館で借りていました。
5.言葉遊びを楽しむ
言葉遊びは、子供たちが言葉に興味を持つきっかけになります。言葉のしりとりや、ある文字から始まる言葉をたくさん連想するゲームなど、遊びを通して自然に語彙力を身につけることができます。
以上が「語彙力を増やす」ための工夫です。
親も一緒に新しい言葉を学んだり、本を読んだりすることで、子どもの学習意欲を高めることができます。
これもまた、子どもに負担をかけすぎないように、無理のない範囲で行うことが大切ですね。
文章の構造を意識する
「文章の構造を意識する」ことは、ただ単に文章を読むだけでなく、その内容を深く理解し、自分の言葉で説明できるようになるために非常に重要なことです。
子どもが文章の構造を意識して読めるようになるために、以下の3つのポイントを意識して取り組んできました。
1.文章の特徴を一緒に探す
2.自分の言葉で説明する機会を作る
3.比較して読む
1.文章の特徴を一緒に探す
まず、子どもと一緒に文章の特徴を探してみましょう。例えば、物語であれば「誰」が「何を」したのか、「どこで」「いつ」「なぜ」というように、五W一Hの視点で文章を分解してみます。
また、説明文であれば、まず結論がどこにあるのか、そしてその結論を裏付けるためにどのような根拠が示されているのかを一緒に考えます。このような具体的な作業を通して、文章の全体像を把握する力を養うわけです。
まあ、あまり難しい言い回しを使わないようにして、質問していましたね……
2.自分の言葉で説明する機会を作る
読んだ文章を、自分の言葉で説明する練習をさせましょう。
最初は簡単な質問から始め、少しずつ難しい質問へと移行していくと良いです。また、文章の内容について、他の登場人物だったらどう思っただろうか、というように、想像力を働かせて自由に話してもらうことも効果的ですね。
3.比較して読む
同じテーマの異なる本(文章)を比較して読んでもらうことも効果的です。例えば、同じ動物を題材にした絵本を読み比べたり、同じ事実を異なる視点から描いた文章を読ませたりすることで、文章の構成や表現の違いに気づくことができます。
以上が文章の構造を意識して読めるようになるための3つのポイントです。
子どもには文章を読むだけでなく、文章を深く理解し、自分の言葉で表現できるようになってほしいですよね。
書く活動を取り入れる
「書く活動」は、読解力だけでなく、思考力や表現力を育む上で非常に大切なことです。
具体的な「書く活動」を5つ紹介します。
1.日記をつける
2.物語を作る
3.書くことをゲーム感覚で楽しむ
4.図書館の本の感想文を書く
5.手紙を書く
1.日記をつける
まずは、日記をつける習慣を身につけてもらいましょう。毎日少しの時間でも良いので、その日の出来事や感じたことを自由に書き出すことで、表現力が養われます。最初は絵日記でも構いません。絵と文字を組み合わせることで、より楽しく書くことができます。
2.物語を作る
好きなキャラクターや動物を主人公にした物語を作ってもらいます。想像力を働かせ、オリジナルの物語を創り出すことは、語彙力だけでなく、創造性を育むことにも繋がりますね。
3.書くことをゲーム感覚で楽しむ
言葉遊びやクイズなど、書くことをゲーム感覚で楽しめるような活動を取り入れてみましょう。例えば、しりとりをしたり、あるテーマに沿って短い文章をたくさん考えたりするのも良いでしょう。
4.図書館の本の感想文を書く
読んだ本の感想文を書くことは、読解力だけでなく、文章構成力も養われます。最初は簡単な感想から始め、徐々に文章を長くしたり、内容を深く掘り下げたりする練習をしていくのが良いです。
5.手紙を書く
おじいちゃん、おばあちゃんやお友だちに手紙を書く機会を作りましょう。手紙を書くことは、相手に自分の気持ちを伝える練習になります。また、返信をもらえることで、書くことの楽しさを実感することができますね。
以上が「書く活動」の5つの方法です。
特別で難しいことではなく、やはり無理なく、が大切です。
書く活動は、単に言葉の力を身につけるだけでなく、思考力や創造力を育み、自信にもつながります。
子どもの書く力を伸ばすお手伝いをしてみてください。
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語彙力と読解力を同時に伸ばす教材を活用する
わが家では、子どもが小さいころから、語彙力と読解力を同時に伸ばせる教材を積極的に活用してきました。その経験から、いくつかの教材の選び方や使い方についてお話しします。
1.絵本を選ぶ際のポイント
2.図鑑を活用する
3.ワークシートやドリルを活用する
4.語学学習アプリを活用する
1.絵本を選ぶときのポイント
まず、絵本を選ぶときは、絵だけでなく、言葉にも注目することが大切です。言葉の言い回しや表現が豊かな絵本を選ぶことで、子どもは自然と新しい言葉に触れることができます。また、同じシリーズの絵本を選ぶと、世界観が共通しているため、子どもは物語の世界に入り込みやすく、より多くの言葉を吸収することができます。
2.図鑑を活用する
図鑑は、様々な種類の言葉に触れることができる優れた教材です。動物、植物、乗り物など、子どもの興味のある分野の図鑑を選ぶと、より学習意欲を高めることができます。図鑑を読む際には、絵を見ながら言葉の意味を調べたり、新しい言葉をノートに書き出したりするなど、アクティブな学習を促しましょう。
3.ワークシートやドリルを活用する
ワークシートやドリルは、楽しみながら語彙力と読解力を伸ばせる教材です。市販の教材だけでなくインターネットで、無料でダウンロードできるものもたくさんあります。これらの教材を活用することで、子供が自分のペースで学習を進めることができます。
4.語学学習アプリを活用する
近年では、子ども向けの語学学習アプリが数多く開発されています。ゲーム感覚で楽しく学べるため、飽きずに続けることができます。これらのアプリの中には、語彙力だけでなく、リスニング力やスピーキング力も同時に伸ばせるものもあります。
以上が語彙力と読解力を同時に伸ばせる教材の選び方、その使い方でした。
教材を選ぶ際の注意点としては、
・子どもの年齢や興味に合った教材を選ぶ
・難易度が少しずつ上がる教材を選ぶ
・飽きないように、様々な種類の教材を取り入れる
があるでしょうか。
子どもに負担をかけすぎないように、無理のない範囲で教材を活用しましょう。
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まとめ
語彙力と読解力は文章を書いたり、人に伝えるためだけではなく、他の教科の学習にも大きく影響します。
幼いうちから、読書の習慣を定着させ、語彙力を増やすための工夫を続けることが大切です。
様々な方法で語彙力と読解力を育むことができます。
大切なのは、子どもが楽しく続けられることです。
無理なく、少しずつ取り組んでいきましょう。
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